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紹介者 勝村務先生
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書名 私小説 : From left to right 日本近代文学
著者名 水村美苗
分野 日本文学
書評 (再掲載:2007年10月掲載)
 高橋源一郎・綿矢りさ・水村美苗、この3人がわたしにとっての重要な日本の現役純文学作家です。水村美苗さんは、脱構築批評の理論家ポール・ド・マン(この作品にも「大教授」として登場しています)の弟子ということもあってか、どこか自分の作品を遠くに置いて眺める眼を保持しながら書いているようなところがあり、それが、水村さんを佳品を生む信頼できる作家としているように思われます。
 わたしが水村さんの作品を読むように(といって、小説としては『続 明暗』・『私小説〜from left to right』・『本格小説』の3作しか著されていませんが)なったのは、わたしの学部生時代のゼミの先生の奥様だったからです。知識人としてたいへん尊敬しているゼミ教官が、奥様のことを「彼女は天才だ」と常々言っていたことから、必然的に水村さんは気になる作家となっていきました。わたしの先生は、この作品のなかに、「殿」という名前で少しだけ登場しています。
 この作品は、横書きで、英語混じりで書かれています。本邦初の横書きバイリンガル長編小説だそうです。研ぎ澄まされた言語感覚とアメリカ暮らしの孤独感の描写とが見事にマッチしています。かつて、アメリカやフィリピンへの留学経験豊富で語学力に長けていた当時の彼女が、この作品の表現の深さを絶賛していたのを懐かしく思い出します。なお、「殿」が話す英語はカタカナ表記となっています(笑:ジャパニーズ・イングリッシュってことですネ)。



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