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紹介者 宮靖士先生
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書名 原爆の図 : 描かれた「記憶」、語られた「絵画」
著者名 小沢節子
分野 日本画
書評  タイトルにある「原爆の図」とは、丸木位里と丸木俊という夫婦画家が1950年から30年以上にわたって断続的に発表し続けた、原子爆弾による被害をテーマとした連作絵画です。この本では、そのような原爆に関する絵を発表し、芸術家としての名声を獲得していくその度に、原爆をめぐる新たな「知らなかったこと」や「気づかなかったこと」に出会い、そこで感じる恥じらいや苦痛をスタートとして、また新たな原爆体験の表象=作品化の方法を生みだそうとしていく誠実な画家の生きざまが、著者(小沢氏)の共感にあふれる女性的な視点によって粘り強く描き出されています。 
 と同時に、そのような恥じらいや苦痛が、第二次大戦以降の「日本」において、原爆に直接被爆したのではない人びとが原爆について知り、それをめぐる様々なことを考えるときに繰り返し直面する心の動きであることも、この本は控えめに主張しているようです。
 そのような恥じらいや苦痛を、それを読み進めていく読者の心にもさりげなく与えていくこの本は、300ページという分量にふさわしい価値と問題提起の大きさをもち、読書という営みの醍醐味を私たちに教えてくれるものであるように思います。
 また、この本が難しすぎるように思える人は、『夕凪の街 桜の国』(こうの史代作、双葉社)というアニメ作品から読み始めると、よい入門篇になると思います。



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