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紹介者 高橋百代先生
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書名 情報編集力をつける国語
著者名 藤原和博, 重松清, 橋本治
分野 日本語
書評 人は他者とのつながりのなかで生きている社会的存在であるかぎりにおいて、自分の意見を表現する力を持つことは必要である。しかし自分の考えを表現せよといきなり言われても、どうやって自分の考えを持ち、どう発言していいのかイメージができていなければどうしようもない。
本書は重松の短編を材料にして、どうのようにものごとを考え、独自の意見をどのように引き出していくのかというきっかけがあちこち散りばめられている。『エイジ』は、逮捕された通り魔がエイジと同じ公立中学に通う生徒だったという物語だ。新聞を買い集めたクラスメートが犯人とタカやんの像を結び付けようと大騒ぎをしているところで、タモツくんは、クールに「人間には3種類しかないんだよ。これから中学生になる奴らと、今中学生の奴らと、むかし中学生だった奴ら。」さらに、「犯人が中学生だったことが、今回の事件のウリなんだから」と言ってのける。
 ここにものを考える方法が見て取れる。「情報編集力」とは「物事の関係性を発見し、それを主体的に組み替えていくチカラ」だ。まず対立する2つの要素を考え、そこにもう一つ何かを付け加えれば、思考の経路が見えてくる。ウサギとカメの物語にもっと足の速い動物を配すればどうだろう?物語は変わって来る。すなわち、そこには自分が伝えたい何ものにも代えがたい個性とダイナミズムが表れるのだ。レポート、就活、また実社会においても自分の意見や考えを表現する際、きっと役立つと思う一冊である。



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